抜け毛・薄毛は髪が少なくなったというだけの問題ではありません。
たまたま症状が出ているのが髪であって、体からのサインを抜け毛や薄毛という手段で表面に出しているのです。
抜け毛・薄毛を考えたとき、体質や生活習慣、心の悩みなどが深く関係してきます。
こんな風に体に何か問題が起こったとき、すべての要因をまとめたものが漢方の考え方になります。
髪に関するものだけでも諸説あるので参考になるかもしれません。
陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)
陰陽説と五行説が一体となった考え方です。
◎五行説
万物はすべて木・火・土・金・水の5つのグループに分けられます。
五行の中には五臓(ごぞう)、五腑(ごふ)などの体の部分が振り分けられます。
よく耳にする「五臓六腑(ごぞうろっぷ)」は五臓の肝・心・脾・肺・腎を指し、六腑は五腑として胆・小腸・胃・大腸・膀胱を指します。
髪は水のグループに入るので五臓は「腎」に該当し、生殖や成長・発育、ホルモンの分泌、免疫系など生命の源と考えられています。
◎陰陽説
宇宙の万物は全て陰と陽の二つのエネルギーで構成されています。
陰は静的・冷たい、陽は動的・熱いを指します。これらはどちらが良いというものでなく、バランスがとれているかが大事になります。
髪は頭が熱く、足が冷たいと抜け毛の原因になります。
昔からいわれている頭寒足熱は、頭寒が陰で下降、足熱が陽で上昇し交わることでバランスがとれているので、髪や体に良い状態といえます。
気血水学説(きけつすいがくせつ)
気血水とは「気(エネルギー)」「血(血液など)」「水(色がない体液)」の、3つのバランスの考え方です。
◎気(エネルギー)
食べ物や空気を取り入れ肺に送ります。この働きが鈍ると血や水の働きも鈍ります。
髪は、精神的ストレスで気(エネルギー)が滞ると、同時に血のめぐりや水のめぐりも悪くなるといったエネルギーが回らないことで起こるトラブルの原因となってしまいます。
◎血
髪の原料で足りなくなると髪を作ることが出来ず、抜け毛の原因になります。
◎水
摂りすぎると腎に負担が増えてしまい髪を作る元気がなくなります。
虚実(きょじつ)
体つきや体質、症状で判断する考え方です。
『虚』は弱っている不足した状態のことで、『実』は強すぎる過多の状態です。
髪には腎が弱る腎虚と、血が不足する血虚が影響します。
経絡(けいらく)
気というエネルギーや血の通り道のことで、経絡にはポイントになるツボ(経穴)が存在します。
ツボの刺激は、弱っている内臓を元気にさせてくれます。
頭部のツボはストレス・脱毛予防・血行促進に関わり、足のツボ(湧泉ゆうせん)は腎の働きを整え抜け毛・白髪に関わっています。
髪に良い習慣とは
抜け毛・薄毛は毎日のまちがった生活習慣によって、髪をつくる力が無くなってきた結果です。
髪をつくる力を取り戻すには、生活習慣を変えることしかありません。
睡眠時間、睡眠の質
自分の睡眠時間は足りていますか? 8時間寝ていても朝すっきり起きれないのであれば、睡眠が浅いのかもしれません。
ストレスで頭ばかり疲れて、体はそんなに疲れてないとき、夜食べ過ぎや飲み過ぎで胃腸に負担があるときなどはぐっすり眠れなくなります。
とにかく何事も無理はせず、お風呂にゆっくり浸かり、寝る前に軽いストレッチなどしてみてください。
冷え防止
私たちは冷たい食べ物を摂りすぎる傾向があります。体温よりも冷たいものは内臓を冷やし、体の循環を妨げてしまうのです。
生野菜サラダ・果物・冷たい飲み物・アイスクリームなどはもちろん、体を冷やす陰の食べ物の摂りすぎは血液の流れを悪くしてしまいます。
また、水分の摂りすぎも腎臓・膀胱に負担をかけることになるのでほどほどに。
室内においてはエアコンの冷えすぎに気をつけて、服装では腰から下をしっかり温めるようにしましょう。
漢方からみた薄毛・抜け毛の原因のまとめ
体の表面に現れた症状は、漢方的に考えると体の内部が弱っているというシグナルです。
気やエネルギー、バランスが大事だと思っていても、目に見えないものだけにおろそかになりがちで、その結果が抜け毛・薄毛であるのなら、今の生活習慣が間違っていると受け入れるしかありません。
精神的・肉体的に負担のかからないよう、食事の量や質、生活全般を見直すことも頭に入れておくと良いのではと思います。
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