育毛剤やシャンプーなどによく配合されている『グリチルリチン酸ジカリウム』はどんな成分でしょうか?
『グリチルリチン酸ジカリウム』は育毛剤やシャンプー以外にも医薬品から化粧品関係全般、食品の添加物など幅広く使われています。
その幅広い用途もさることながら名前もたくさんある成分です。『グリチルリチン酸』って覚えておけばいいのかもしれませんね。
- 商品名は『グリチルリチン酸ジカリウム』
- 化粧品表示名は『グリチルリチン酸2K』
- 部外品表示名は『グリチルリチン酸ジカリウム』又は『グリチルリチン酸2K』
- 和名、別名、生薬名は『グリチルリチン酸二カリウム』
- 他にも『グリチルリチン酸K2』『グリチノンK2』など。
『グリチルリチン酸ジカリウム』はなぜ多くの製品に使われてきたのか?
その歴史は古く大昔にさかのぼります。
グリチルリチン酸ジカリウムの原料は甘草(カンゾウ)
甘草はマメ科の多年草で、4000年以上前から薬として世界の地域で使われてきました。
砂糖の50倍の甘さをもつといわれていて、天然の添加物として甘味や食塩の塩辛さを和らげ本来の味を引き出すなどの役割もします。
その甘草の根から抽出したものがグリチルリチンになりますが、水に溶けにくいため溶けやすくしたものがグリチルリチン酸ジカリウムになります。
薬としては肝臓の解毒作用強化、抗炎症作用、抗アレルギー作用、鎮咳作用、エストロゲン様作用(女性ホルモン様作用)、免疫増強作用、ストレスをやわらげるなどの効果がみられます。
グリチルリチン酸ジカリウムの育毛効果として
直接発毛を促進するものではありませんが、抗炎症作用や抗アレルギー作用は頭皮環境を整えるための必要な成分として効果を発揮しています。
またフケかゆみのもとになる雑菌の繁殖を抑える殺菌作用もあり穏やかに作用するので、長く使い続けても何ら問題ありません。
グリチルリチン酸ジカリウムの副作用として
医薬品(経口剤、注射剤)の場合
長期に大量使用した場合『偽アルドステロン症』という高血圧、むくみ、カリウム喪失などの症状があらわれることがあります。
それにより一日最大配合量が200mgに、また配合量が40mgを超える場合には副作用に関連する使用上の注意事項を記載した文書を添付することが定められました。
甘草・グリチルリチンを含む医薬品は多く、漢方薬、かぜ薬、胃腸薬、肝臓病の医薬品、また市販の医薬品にも含まれているので、重複することのないよう医師や薬剤師に相談されてください。
食品の甘味料の場合
含有量が少なく心配する必要はありませんが、医薬品を服用しているときはご注意ください。多くの調味料や加工食品に含まれているため複数の食品からも摂取していると考えられます。
と、こういう風に副作用があると大丈夫かなと思ってしまいますが、医薬品(経口剤、注射剤)を使用していなければ問題ありません。
シャンプーや育毛剤などの外用には副作用の心配はないので安心して使ってください。
グリチルリチン酸ジカリウム配合、女性向けのシャンプー
グリチルリチン酸ジカリウムが配合されている女性向けシャンプーは、頭皮環境を整えるタイプがほとんどです。
グリチルリチン酸ジカリウムのまとめ
グリチルリチン酸ジカリウムは、化学的に合成された良くない成分だというイメージでしたが、古来からの薬とわかって安心しました。
医薬品で飲んだり注射したりしない限り副作用は関係ないし、外用であれば全く問題ない成分なので育毛剤やシャンプーに使われていることに納得します。
薄毛は頭皮に何らかのトラブルを抱えていることが多いので、頭皮環境のためにもグリチルリチン酸ジカリウム配合のシャンプーは使った方が良いのかもしれませんね。
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